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『令和3年度の中小企業政策について②』【VOL0034】

 

皆さま、こんにちは。福岡県中小企業振興センターの林です。

 

前回に引き続き令和3年度の国の支援施策から見えてくることを考えてみます。

 

前回は令和3年度当初予算の概要を見ました。

これに加えて、過去最大規模に計上された令和2年度の第3次補正予算(2兆3,000億円)が

あります。

 

これらは、基本的には同じ目標を志向しており、具体的には前回触れた①レジリエンス ②新陳代謝 です。

 

まず、レジリエンス(事業継続性)ですが、これは大きくⒶ事業の継続 Ⓑ災害対応 に分けられます。

事業の継続は、コロナ禍で傷んでしまった中小企業の再生、および生産性向上を支援するものです。

また、災害対応はサプライチェーンの強化を中心に、災害等への「備えをする」ことを支援します。

 

次に新陳代謝ですが、これは事業承継の促進であり、これまでの親族内承継からM&Aへと軸足が移りつつ

あります。

 

さて、上記でいくつかのキーワードが挙がりましたが、特に注目してほしいのが「生産性向上」と「MAです。

 

「生産性向上」は会計・経営的には、結果として収益力、資本力を上げる、すなわち、企業価値を上げるということです。

 

なぜ、企業価値を上げることが必要なのでしょうか。M&Aとの関係で考えることができます。

 

皆さまは買収する側になりたいですか。される側になりたいですか。

 

企業価値が高い会社は、当然買収する側です。買収のための資金調達が容易であり、買収案件の情報もよく入ってくるようになります。

他方、企業価値が低い会社はこの逆です。キツい言葉ですが「買い叩かれる」側になるのです。

 

M&Aなんてうちには関係ない」と思われるでしょうか。

しかし、政府は補助金や税制などM&Aをしやすい環境を急速に整えています。もちろん、個人事業主についてもです。

 

ポストコロナの事業環境は、淘汰が加速する世の中であると読んでおいたほうがよいでしょう。

  

皆さまはその心構えができていますか。